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“盛り土”の県条例 神奈川との違いは?

2021年07月22日(木)  静岡第一テレビ

熱海市の土石流を受け、県は「盛り土」の規制強化へと動き出した。規制強化が必要とされる県内の盛り土の現状とは。

熱海市の土石流で被害を甚大化させた「盛り土」。

届け出があった量の2倍の土砂が運び込まれていた可能性がある。

排水設備も設置された痕跡がなく、県や熱海市が何度も指導を行う中で、今回の災害に至った。

7月19日の県議会では…

(川勝知事)

「現在の条例は十分なものではなかったと考えている。盛り土に対する県民の不安を払しょくするため、改正の手続きを速やかに進める。」

現在の県の条例では、盛り土は原則行うことができ、事業者が「届け出」をする決まりになっている。

条例違反による罰則は20万円以下と、実効性が低いという見方がある。

一方、隣の神奈川県では盛り土は原則できず、条件付きで県知事が「許可」している。

適切に盛り土が行われた小田原市の山林の所有者は、県の厳しいチェックがあったという。

(山林の所有者)

「上から順々に水が流れていって、最後はいろいろな所から集まった水が一番下にある調整池に溜まる。角度や段々のつけ方など、きちんと検査を受けて瑕疵のないように造ってある。」

神奈川県は事業者に対し、住民説明会の開催や3か月ごとの報告を求め、不正がないかパトロールも行っている。

罰則は重いもので2年以下の懲役または100万円以下の罰金と規定されている。

富士市の担当者は、この規制の厳しさの違いから首都圏の悪質な事業者などに静岡県が狙われやすい実態があると話す。

(富士市土地対策課 川口文宏課長)

「違法な埋め立てを行う業者は条例の弱い所、罰則の弱い所をついて、違法な埋め立てをやってくると考えている。首都圏だと1立法メートルあたり5000円くらいの処理費を元の工事請負者が出して処分している。それが(富士山麓の)違法な埋め立て現場にくると700円で受けてもらえる。」

このため、県境である富士山麓の富士市や富士宮市、御殿場市など8市町では、県の条例よりチェック体制や罰則が厳しい独自の条例を定めている。

それでも富士市では現在23か所で不正な盛り土などが確認され、崩壊による住宅地への被害も発生している。

富士市では「独自の条例では限界がある」として、県に厳しい一律の規制を求めている。

(富士市土地対策課 川口文宏課長)

「自治体で(条例に)ばらつきがあると『この市で厳しくなったから次はこの市で捨てればいい』と、いたちごっこのような現象が起きてしまう。一定の基準のもと、静岡県は全部厳しいんだと、対抗していくしかない。」

県は他県の条例などを参考に、規制強化に向けた条例の見直しを早急に行う方針。

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