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芸術が持つ力 SPAC野外劇 市民42人が演じる「忠臣蔵」

2021年06月10日(木)  静岡放送
コロナ禍で芸術に直接触れる機会が少なくなっている中、先週末、静岡市で野外劇が上演されました。プロの役者とともにこの舞台に立ったのは42人の市民です。

 SPAC・静岡県舞台芸術センターによる『忠臣蔵2021』。新型コロナの影響で一度は中止となった舞台がようやく、上演を迎えました。劇中で演じるのは、SPACの俳優のほか、公募で選ばれた42人の市民です。10代から80代という幅広い年齢構成で、演劇の経験がない人もいます。
 静岡県立大学に通う山梨まどかさん(21)は友人と演劇サークルを立ち上げましたが、新型コロナによる大学の休講などで活動ができず、今回参加することを決めました。
 <山梨まどかさん(21)>「声優になりたいという夢があった。演技することが好きで興味があった。『戦ってこそ武士』というセリフがある。大きな声でかまずに言いたい」
 長年の夢が叶った男性もいます。今回、演奏隊として参加した柴田彰さん70歳です。
 <柴田彰さん(70)>「SPACの演劇を見るのが好きで長い間見ていた。最後に舞台に立てるなら立ってみようと思った。人生最後の舞台という気持ち」
 コロナ禍での公演は稽古はもちろん、本番でもマスクを着用。アルコール消毒も欠かせません。演出家も離れた場所から指導し、向かい合って話さないようにするなど感染対策を工夫しました。
 <演出 寺内亜矢子さん>「できないことはたくさんあるが、どんな時代も制約を乗り越えようとして新たな芸術が発展してきた。皆さんの熱意で新しいことを発見できるのでは」
 本番当日ー。
 <山梨まどかさん(21)>「緊張しているけど楽しみです」
 <柴田彰さん(70)>「やる気満々です」
 この日を心待ちにしていた観客は約250人。座席の数を3分の2に減らすなど、観る側の対策も取られました。『忠臣蔵2021』は作家の平田オリザさんが脚本を担当し、「日本人特有のコミュニケーション」に焦点を当てました。劇序盤、柴田さんの登場です。3カ月に渡って稽古を重ねた42人の市民役者は赤穂浪士が様々な選択肢に悩みながらも討ち入りを決めるまでを演じました。色鮮やかな衣装をまとったSPAC俳優陣と市民役者は、熱の入った演技と演奏で観客を魅了しました。
 <観劇した人>「市民を使った自然な空気が出ていた。仕事で苦労しているが、励まされるような舞台になっていた」「芸術という生の感動を 久しぶりに味わえてうれしかった」
 演じきった2人は…。
 <柴田彰さん(70)>「最高の一日。練習以上の力が出た。色々な人との家族ができた」
 <山梨まどかさん(21)>「練習を繰り返していくたびにどんどん殻を破れるようになった」
 制約がある中で上演された今回の舞台。演じる側も観る側も、生で感じる芸術の素晴らしさを改めてかみしめているようでした。

6月10日 SBSテレビ「ORANGE」放送
#オレンジ6
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