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土石流とコロナ 4連休で活気 観光地・熱海のジレンマ

2021年07月22日(木)  静岡放送
7月22日から4連休で、夏休みが始まったという方もいるのではないでしょうか。土石流と新型コロナの影響が懸念されていた観光地熱海では活気が戻りつつありますが、地元にはジレンマもあるようです。

 熱海港で人気の海釣り公園です。駐車場ががれき置き場となっているため7月3日から閉鎖されていましたが、4連休初日に合わせて19日ぶりにオープンしました。JR熱海駅前には若い世代や家族連れを中心に大きな荷物を抱えた大勢の観光客の姿がありました。駅前商店街も、土石流発生から1週間後の同じ場所を比べると人の数の違いは歴然としています。
 <観光客>「最初から決めていたので来ました。こうして旅行に行くことも復興の一つかと思う」「来ることで経済をまわしていければ」
 土石流災害の発生を受けて熱海市は今シーズンの海開きと海上花火大会の中止を決定。地元では夏の観光シーズンにあきらめムードが漂っていただけに、観光客の姿に少しほっとしたという本音がもれます。
 <干物店の店主>「普通の連休に戻りつつある。被災した人のことを考えると複雑な思いですけど、考えてやっていかないと熱海は観光地ですから」
 熱海市渚町に本店を構える洋菓子店、住吉屋です。土石流の影響で7月4日から休業を余儀なくされました。
 <住吉屋本店 菊地直子店長>「知っている人が被災したとかはよく聞くので、きょうから営業が再開できるだけでありがたいと思う」
 住吉屋の商品は全て伊豆山にある自社工場で製造し、4つの店舗に配送しています。しかし、土石流が発生した7月3日に一変しました。
 <住吉屋 菊地純一専務>「行き場を失った形になってしまう、国道135号が止まるということは。(商品を)ここで作れてもお店に運べないですし、そもそも出勤できる社員が少なくて」
 国道135号の通行止めで、熱海市内は「分断状態」になりました。しかし、道路の復旧が進んできたことで7月22日の営業再開にこぎつけました。約20日ぶりに店に商品が並びました。多い時に1日100個以上売れるシュークリームが一番人気です。常連客が早速、シュークリームを求めて訪れました。
 <常連客の男性>「ずいぶん休んだから大変だったね」
 菊地専務は2021年に考案した商品を土石流からの復興に生かしたいと考えています。
 <住吉屋 菊地純一専務>「ATAMI BOXという熱海の名物がボックスに入った商品になります」
 干物など地元の名産品を買い取り、住吉屋の人気商品とセットで4月に販売を開始しました。今回、その売り上げの一部を義援金として寄付することを決めました。
 <住吉屋 菊地純一専務>「事業者にとっても、被災した方にも何かしらのお返しになる。熱海はしっかり頑張るので気持ちが変わったら(観光に)来てくださいという気持ち」
 夏の行楽シーズン到来ですが、新型コロナの感染がじわり拡大している状況です。
 <熱海市 斉藤栄市長>「中心市街地は観光については(土石流災害の)影響がないので、お越しいただけるお客さまにはしっかりとおもてなしの心をもって対応したい」
 被災地であり、観光地である熱海。この夏は、人が集まることにジレンマを抱えながら過ごすことになりそうです。

7月22日 SBSテレビ「ORANGE」放送
#オレンジ6
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