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熱海 再生へ 被災に避難生活 不安抱える中高生 取り戻せ!子どもたちの居場所(静岡県)

2021年09月17日(金)  静岡放送
熱海市伊豆山の土石流で自分たちの街が一変したのは大人も子どもも同じです。多くの子どもたちが自分が思うままに過ごせる身近な場所を奪われました。復興が進むなか、大人たちが子どもたちの居場所も取り戻していこうとしています。

 熱海銀座商店街の一角にあるこちらの空間。「熱海ユースラウンジ」です。毎日、10人ほどの中学生や高校生がこの場所に訪れ、勉強をしたり、遊んだり、自由な時間を過ごしています。
<佐々木陽太さん(中3)>「サッカーやってるんですけど、コロナで活動ができなくて、毎日休みなので来れるときは毎日来てます」
<渡辺晃平さん(中3)>「家だとゲームばっかで勉強進まないので、こっちでやってた方が全然プラスになる」
 この居場所を作ったのは、被災地の子ども支援などを行なっているNPO法人「カタリバ」です。東日本大震災をきっかけに、被災した子どもたちの居場所づくりや学習支援に取り組んできました。被災地の中高生は避難所生活に加え、兄弟の面倒を任されるなど自由に過ごす場所がなくなるといいます。土石流で被災した熱海の子どもたちも同じでした。
<認定NPO法人カタリバ 戸田寛明さん>「(高校生から避難所生活で)親と狭い空間で一緒に過ごす時間が長くなり、息苦しい。親子関係もギクシャクしてきた。どんなに勉強しろと言われても、前向きになれないという話を聞き、支援する必要があると感じた」
 被災した子どもに限らず、熱海市の中高生であれば誰でも利用できる場所にしました。ラウンジには大学生がいて、学習の支援もしていますが、大学生たちはそれ以上に大切にしていることがあります。<認定NPO法人カタリバ 戸田寛明さん>「(子どもたちが)これからの未来どうなっていくのか不安を抱えている話を保護者から聞いたりする。大人ができるのは、事実を受け止めて子どもたちがどう思っているのか否定せず受け止める、寄り添うことが大切」
<中野莉那さん(中3)>「(友達がいて楽しい?)はい楽しいです。ハハハ」
<繋由衣菜さん>「勉強がよくできる場所。静かで集中できて、わからない所をリモートで大学生に聞ける」
 子どもたちが気を抜いて素でいられる空間を大学生たちが作り出していました。
<大学生 小出恭子さん>「また明日、お疲れ。(明日来ると言ってましたね。来たい場所になってる?)だとうれしいです」
 一方、被災地の熱海市伊豆山でも、子どもたちの居場所を取り戻した人がいます。伊豆山にあるボクシングジムです。建物は土石流の被害がなく無事でしたが、目の前の市道が通行止めになり、休業を余儀なくされました。このジムを経営する多田友樹さんです。
<多田友樹さん>「ここの通りが一番大変だったと思いますね。日中も消防だとか自衛隊がたくさんいて、大人が歩ける状態じゃなかったんで」
 多田さん自身も避難所での生活を強いられる中、子どもたちの声がジムの再開を後押ししました。
<ボクシングスクールフィスト 多田友樹さん>「ジムに来ている避難所にいない子どもたちは全く1カ月会わない。たまに連絡くれたりして練習してますよとか、そういう連絡をくれたので、それが一番の支えだったり、なんとかしてあげたい」
 土石流から1カ月。新型コロナの対策も徹底して再開を決断しました。
<佐藤夢音さん>「(1カ月来れなくて)寂しい気持ちはありました。土砂崩れがあって大変だったけど、今できてすごくうれしい」
<高橋琉斗さん>「(ボクシングは)楽しいです。ストレス発散できるので。強くなれたらいいなと思ってます」
<ボクシングスクールフィスト 多田友樹さん>「ちょっと恥ずかしそうな一面もありましたけど、早くやりたかったみたいな声も聞かせてもらったり、スタッフと自分と親御さんと子どもたちとチームとしてやっていきたいと思ってます」
 熱海の土石流で子どもたちは一時、居場所を奪われました。しかし、街の復興と共に、子どもたちは好きなことができる日常を取り戻しつつあります。
#オレンジ6 9月17日放送
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