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苦戦の静岡の茶業界 富士市では「ほうじ茶」をブランド化

2022年01月13日(木)  静岡放送
2019年、産出額で2位の鹿児島県にトップの座を奪われるなど苦戦が続く県内のお茶業界。東部のお茶どころ富士市では、茶業の活性化を目指して「ほうじ茶」のブランド化に取り組んでいます。

<天野大輔記者>「素朴な味わいで、ホッと心が落ち着きます。こちら富士市で生産・加工されたほうじ茶なんですが、独特の香ばしい香りと口の中でふわっと広がる甘味が感じられて美味しいです」
 富士のふもとに広がる茶畑。清らかな水と空気に育まれる富士市のお茶は県内で7位の生産量を誇り、県東部の茶生産の中心地となっています。そんな茶どころ、富士市が目を付けたのが「ほうじ茶」。これをブランド化しようというのです。富士市にある茶工場です。4人の若手生産者が専用の機械を使って茶葉に熱をいれ、香り高いほうじ茶を作っています。
<山田製茶 山田典彦さん>「(どういう工程になる?)この機械によって、遠赤外線を使って、スピーディーに火を入れながら、瞬間的に冷ますという工程で、香りを冷やすことによって閉じ込めている」
 この焙煎作業の違いが、煎茶とほうじ茶の違いになります。煎茶が主流の静岡では、ほうじ茶はあまり馴染みがありません。では、なぜ茶農家自ら手掛けようと思ったのか。背景にあるのは、お茶を飲む人が減っているという危機感です。富士市のお茶は1990年をピークに年々生産量が低下。2020年にはピーク時の半分以下にまで落ち込んでいます。
<山田製茶 山田典彦さん>「お茶の淹れ方って難しいよねというのがあり、誰でも簡単に飲めるものはというところで、ほうじ茶に目をつけて、やってみようということで始めた」
 比較的手軽に美味しく飲める「ほうじ茶」でお茶に親しんでもらい、茶業の活性化につなげようとブランド化に乗り出したのです。農家自らが加工・販売までを手掛けるほうじ茶のブランド茶は全国的にも珍しいといいます。
<山田製茶 山田典彦さん>「飲む人や食べる人を育てていかないと、それが農家の役目になってきたのかなという。つくるばかりではいけない」
 行政もブランド化を後押しします。富士市は2021年6月、「ほうじ茶宣言」を打ち出し、市内産のほうじ茶を積極的にPRする取り組みを始めました。官民連携で取り組むほうじ茶のブランド化に地元の菓子店も協力しています。
<菓子処たかぎ 店主 高木智弘さん>「カスタード餅というのか、そういうものをイメージして。乳製品などと合うという話はもらっているので」
 吉原商店街にある菓子店では、新たなほうじ茶スイーツを開発中です。
<菓子処たかぎ 店主 高木智弘さん>「抹茶と違った感じで色々な楽しみ方があると思うので、その辺で色々結構面白いかなと思っている」
 店ではすでにほうじ茶を使ったどら焼きやようかんも扱っていますが、新たな商品の開発に力が入ります。
<菓子処たかぎ 店主 高木智弘さん>「お店を知って頂けるというのもあるし、お茶屋からすれば、お茶をもっとたくさん使ってもらえると。ウィンウィンの関係というんですかね」
 2021年11月、地元産のほうじ茶を使ったスイーツのイベントが行われ、市内の菓子店10店舗以上が自慢のメニューを持ち寄りました。
<秋山製茶 秋山和成さん>「色々な方々の協力のもと、茶農家以外の部分で色々な方々とコラボレーションすれば、まだまだ可能性があるというのが見えてきた」
 イベントは大好評。1月30日には規模を広げて2回目を開く予定です。他の業界も巻き込みながら広がりをみせる富士のほうじ茶。お茶離れを防ぎ茶業界を活性化する新たな一手として期待がかかります。
#おれんじ #オレンジ6 1月13日放送
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