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難病と闘う女性が立ち上げ 自分らしく過ごせるグループホーム完成(静岡県)

2021年06月01日(火)  静岡放送
全身の筋肉が徐々に動かなくなるALS=筋萎縮性側索硬化症。この病気と闘う富士宮市の女性が自分らしく笑顔で過ごせる「夢のグループホーム」を完成させました。支える家族と女性の思いを取材しました。

 富士宮市に5月完成した「ケアサポート志保」。医療的ケアに特化した24時間体制のグループホームです。部屋は全部で7部屋。重度の障害者にも対応できる機械浴槽も設置されています。この施設を立ち上げたのは、清しお子さん。彼女はいま、難病と闘っています。
<清さんと理学療法士>「腕、つりそう」「いま?」「手のひら全体がすごく熱く感じる」
 清さんは6年前、ALS=筋萎縮性側索硬化症と診断されました。ALSは全身の筋肉が徐々に痩せていき、力がなくなっていく病気で原因はわかっていません。清さんは5月から、舌や口の振動を言葉にして発声することができる器具を使っています。
<清しお子さん>「この刺激によって痰の排出はよくなる。逆にいい感じ」
 清さんはいつもポジティブ。弱音を吐くことはありません。
<清しお子さん>「世の中の不幸を自分が全部背負っているように思っている人もいるわけじゃん。そういう人のところに遊びに行ったとき、楽しい?この人のところにはもう行きたくないなって思うじゃない。そう思われる人に私はなりたくない」
 清さんは3年前、グループホームを作ろうと決心しました。生きることに消極的な感情を抱いている人を減らしたいという思いからです。この施設の建設を後押ししてくれた人がいます。清さんの夫、雅英さんです。
<清しお子さんと雅英さん>「(筆談)父ちゃん、きょうは何?」「豚肉を炒めるだけ」
 仕事で忙しい雅英さんですが、夕食は清さんと一緒に食べるのが日課です。
<清しお子さん>「うちのお父ちゃんは耳が少し悪いので、この話を聞きとれなくて、いつも筆談になる」
 普段は清さんも料理をしますが、この日は雅英さんが全て作りました。
<清しお子さんと雅英さん>「どうした?」「(筆談)昨日あたりから力が入りにくいです」「伸びない?やばいじゃん」
 点滴が切れてきて、この日は左手の動きが悪くなっていました。
<清しお子さんと雅英さん>「治ったじゃん」「ありがとう」
 雅英さんはグループホームを作ると聞いたとき、どう感じたのでしょうか?
<雅英さん>「この人じゃ、とことんやるだろうと思ったからさ。自分にできることは応援することしかないと思った」
 『自分の家族に重い介護はさせたくない』清さん自身の思いも詰まった、一大プロジェクトでした。清さんはグループホームを運営しながら、自らも入居者となります。
<清しお子さんと雅英さん>「(いま2人は幸せですか?)幸せっていうとこの人がそばにいてくれれば幸せだけど。でも、あんたは向こうにいたほうが安心。俺が安心していられる」「(筆談)私は幸せです」「ご飯の用意しとけ。向こう(グループホームに)行って食べるから、たまには」
 5月10日、グループホームの竣工式を迎えました。
<清しお子さん>「夢は叶うという強い気持ちと多大なるご協力をいただき、グループホーム建設を成し遂げることができました」
 『誰かの手があれば生きていける』支えてくれた人々への感謝の思いが溢れました。
<雅英さん>「やっぱあんた素晴らしいよ。大したもんだよ」
<清しお子さん>「ありがとう。お父ちゃん愛してるよ」
 この日は、清さんの67歳の誕生日でした。
<清しお子さん>「次はこの施設に診療所を併設できればありがたいと思っています。とにかく私はその夢が叶うまで生き続ける、しぶとく生き続ける、ただそれだけです」
 次の夢に向かい、清さんの新たな生活が始まります。
#オレンジ6 6月1日放送
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